ボルダリング映画「ラスト・ホールド!」感想レビュー!スクリーン前で「ガンバ!」と叫びたくなる

2018年5月18日

ボルダリング青春映画「ラスト・ホールド!」が2018年5月に公開されました。
公開2日目に早速見てきたのでクライマー目線でレビューしていきます。
※ネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください。
公開前に情報をまとめていた記事はこちら。

[clink url=”https://climbing-info.com/2018/01/05/142.html”]

あらすじ

公式HPより引用です

廃部寸前のボルダリング部の主将・岡島は大学卒業を控え、今や自分1人となった部を存続させるべく6人の新入部員を必死で勧誘する。が、集まった6人の内経験者は1人だけ。残りの5人はクセの強い初心者ばかり。総じて体力もなく、ボルダリングをなめてかかっているものだから試合も連敗続き。しかし、トレーニングを重ね、競技と向き合う内に、次第に楽しさを知り、固い友情で結ばれていくメンバー。そんな時、大事な団体戦の前にある事件が起こってしまう…。

ひとことで言ってしまえば超王道のストーリー展開ですね。
廃部寸前の弱小部、強豪校の存在、トラブル、団結・・・。

そこまで期待していなかったストーリーですが、登場人物がいちいち個性的なので王道的展開でもおもしろかったです。
たとえばメンバーの一人の中道くん(阿部亮平)はゲーマーで潔癖症。少し人見知り的なキャラです。
ボルダリングに出会う前はゲーセンでずっとぷよぷよ通をやっていました。
そんなゲーマーな中道くんですが、最後の大会前にはあれだけハマっていたゲームを売ってチームのためにユニフォームを人数分買ってきます。
なんといい子なのでしょうか。中道くんのようなクールなキャラが友情に熱い展開を作ってくれるとは予想もしてなかったので不覚にも僕はグっときてしまいました。
他にも筋肉オタクとしてプロテインの話で岡島くんと意気投合する高井戸くん(宮舘涼太)や、彼女をボルダリング野郎にとられて怒っているいかにも大学生っぽい桃田くん(渡辺翔太)など、キャラクターたちが本当におもしろかった。
こんな個性的なキャラクターたちがボルダリングに出会って、ハマって、成長していく。とても痛快で気持ちの良いストーリーでした。

ボルダリングのシーン

肝心のボルダリングのシーンはどうだったんでしょうか。
作中でも言われているようにボルダリングは単純な筋力だけでなく、指の保持力、足や体幹を使ったムーブ、そのムーブを考える思考力、全身のバランス感覚など様々なチカラが必要です。
特に指の保持力や全身を使うムーブは数ヶ月以上ボルダリングを継続的にしていないと身につきません。なので迫力あるボルダリングシーンは期待していませんでした。
ところが良い意味で期待を裏切られました。主演の塚田さんを始め部員のみんなもなかなかキレのよいムーブを見せてくれました。特に塚田さんはこの映画のためにかなりボルダリングの練習に取り組んだとのことで、よい動きをしていました。
おそらく普段から鍛えているんだと思うんですが、上裸で登るシーンではかなりキレキレの体も見せてくれます。

俳優陣の頑張りと映画の演出もあって、ボルダリングシーンはかなりのめりこめます。
最後の団体戦で河口が登るシーンではスクリーンの前なのに思わず「ガンバ!」と言いそうになってしまいました。

映画の中で使われていたムーブは?

目立ったムーブは2つです

ランジ(ダイノ)

簡単に言えばジャンプです。
遠くのホールドを掴むため、体に勢いをつけてジャンプしてホールドを取りに行きます。見た目が派手でカッコいいので作中ではたくさん出てきました。ランジでは次のホールドを取るときは片手です。両手で取るムーブはダブルダイノというムーブになります。
個人戦の決勝では岡島くんが片手で取るランジにこだわって失敗してしまいました。その後、先輩たちがダブルダイノで行けばよかったのにとアドバイスをくれていました。
じゃあジャンプするムーブは全部ダブルダイノで行けばいいんじゃないかと思うかもしれませんが、片手でとるランジのほうが距離が出やすいので、時と場合によってムーブを使い分ける必要があります。
また、こちらの動画のように同じ2つのホールドを同時にとることもあります。

フィギュア4

足場がない状態で体を上に上げるため、ホールドを掴んでいる手に足をかけてしまうトリッキーなムーブです。ボルダリングジムでもめったにみかけることがないムーブ(というか見たことない)ですが、作中では団体戦の中で登場しました。本当に珍しいムーブですがこの動画のように実践で使われることもあるようです。

「ガンバ!」という掛け声

ボルダリングしている人を応援する掛け声として「ガンバ!」が何度も登場しました。
これはクライミングの文化ひとつで、ボルダリングジムやその他のクライミングでも掛け声として広く認知されています。
作中ではスタートからゴールまでずっとガンバと言っていましたが、ジムでは課題の難しいところ(核心)やクライマーが落ちそうな時に応援するタイミングで聞くことが多いですね。
ジムで頑張っている人を見かけるとつい「ガンバ!」と声をかけたくなりますね。

自然の岩のロケ地は御岳ボルダー

作中で自然の岩を登ろうということで外岩を訪れるシーンがあります。
ロケで訪れていたのは、都内からアクセス良好の大人気ボルダー、御岳エリアでした。
ここまで言うとクライマーなら予想がつくでしょう、映画に出てきたのは忍者返しの岩でした。御岳ボルダーの超メジャースポットです。
この岩にある「忍者返し」は御岳のハード課題の登竜門ということで、多くのクライマーが目標とする課題です。グレードは1級です。
作中ではわかりずらかったですが、下の写真のようにけっこうかぶって(オーバーハングして)ます。

メンバーのうち桑本くんが忍者返しを2手目まで取れているのが確認できました。
この課題の核心は次の”飛ばし”ですが、おそらくここは難しくて取ることができなかったので映さなかったのだと思います。
(さすがに忍者の飛ばしは初めて数か月のクライマーには取れないとおもいます)

御岳ボルダーは川沿いで気持ちいいですし、忍者返しの岩以外にも簡単な岩もたくさんあるのでぜひ行ってみてほしいですね。

個人的なリクエストやちょっとした不満

最後に、個人的に気になった点を少し。

  • 作中でやたらとプロテインで乾杯しますが、飲むタイミングなどが少々違和感。
    食後ではなくトレーニング後に飲んでほしかったかも。
    そもそもクライマーが全員プロテイン飲むわけではないし、クライマーが全員ああいうのだと変な誤解を生んでしまいそうな心配も
  • 団体戦の最後のシーンで岡島くんが言う「掴め!ラストホールド!!」というセリフも少々違和感。
    掴もうとしているホールドがそもそもラストホールドではないし、ラストホールドという単語もここで初めて出てきた単語。
    アツいボルダリングのシーンだったのでそこまで気になりませんでしたけど

ラストホールド感想まとめ

いろいろと書いてきましたが、総合的には大満足です。
王道ストーリーに個性的でおもしろいキャラ、俳優陣たちのボルダリングの腕前、どれもとても良かったと思います。
初心者の方にもボルダリングの魅力が伝わるし、クライマーの方ならネタがわかってニヤニヤすること間違いなし。
映画の最後のシーンでは2020年にオリンピックの正式種目にスポーツクライミングが採用されたぞ!登るしかないね!とちゃっかりクライミングの宣伝もしてくれているのもうれしかった。
この映画をきっかけにボルダリングに興味をもってくれる人、ボルダリングに挑戦してみる人が増えるのを期待したいと思います。
ぜひ見てみてくださいね!!

http://lasthold-movie.jp/

雑学

Posted by りば